インドにおける食品輸入規制の最新動向と実務対応⑥

1 よくある失敗とリスク管理

日本企業がインド市場で直面しやすい主な課題として、次の点が挙げられます。

 

⑴ 書類間の不整合

 提出書類の間で商品説明に食い違いがあると、審査が7~15日程度遅延することがあります。

 対応策としては、 書類表記の統一と、提出前の事前チェック体制を整備することが考えられます。

 

⑵ パートナー選定ミス

 規制への対応力や運営体制が不十分なパートナーを選定すると、継続的なトラブルにつながりやすくなります。

 対応策としては、 取引条件だけでなく、規制対応の実績や体制を重視したデューデリジェンスを行う必要があります。

 

⑶ 品質基準の誤認

 日本の基準を満たしていても、インドの検査基準では不適合と判断されるケースがあります。

 解決策としては、FSSAI認定を受けた検査機関で、輸出前に事前検査を実施することが有効です。

 

⑷ 市場理解不足

 インド市場の実情に合わない価格設定や商品の打ち出し方は、販売が伸び悩む原因となります。

 対応策としては、大きな投資を行う前に、慎重な市場テストを実施し、現地の専門家の知見を活用することが重要です。

 

⑸ 規制変更への対応

 インドでは規制内容の変更が頻繁に行われており、適切に対応できない場合には、事業運営に影響が生じる可能性があります。

 対応策としては、継続的な規制動向のモニタリングと、状況に応じて柔軟に対応できる運用体制を構築することが求められます。

 

2 結論

 インドの食品輸入市場では、長期的な視点で準備を進め、現地の規制をしっかり理解している企業ほど、安定した競争力を持ち、収益につながる事業展開ができています。信頼できる現地パートナーの選定と、ローカライズも持続的なビジネスにとって非常に重要な要素になります。

 2024年および2025年の規制改正は、新たな対応を求める一方で、規制を正しく理解し、早期にコンプライアンス体制を整えた企業にとっては、競合との差別化や市場からの信頼獲得につながり、新たなビジネスチャンスになると言えます。