2026/06/10
日本企業のインド進出は加速しています。JETROの調査では、インド現地の日本企業の8割以上がさらなる事業拡大を志向しており、インドは今や「成長市場」を超えて「戦略的不可欠市場」へと位置づけが変わりつつあります。 しかし、事業規模が拡大するほど、現地パートナーとの合弁関係の破綻、代金未払い、製品品質に関する紛争、知的財産の侵害など、さまざまな法的トラブルに直面するリスクも高まります。インドの法制度はコモンロー(英米法)を基盤とする体系的なものですが、その実務運用は多くの点で日本企業の常識と大きく異なります。契約段階でリスクを設計しておかなければ、いざ紛争が発生したときに決定的な不利を被ることになりかねません。 本コラムでは、インドにおける紛争解決の主要な手段(仲裁・訴訟・調停)の特徴と、日本企業が事前に備えるべき具体的なポイントを解説します。
2026/05/27
インドでの事業展開や拡大を検討する外国企業においては、現地に正式な拠点を設立する前の段階から、従業員をインドに派遣するケースが少なくありません。特に日本企業を含む多国籍企業では、経験豊富な人材を現地に送り込み、業務の統括や現地パートナー・顧客との調整、さらには既に進出しているグループ会社の支援などを行うことが一般的です。 このような場面で広く活用されているのが、「セカンドメント(出向)」という仕組みです。一般的なセカンドメントでは、日本法人に所属する従業員が一定期間インド法人に出向し、その指揮命令のもとで業務に従事します。他方で、雇用関係自体は日本法人に維持されたままとなり、社会保険など本国での待遇も継続されます。給与は日本法人から支払われ、その費用をインド法人が実費ベース(マークアップなし)で精算する形が通常です。
2026/05/12
2026年4月1日、外務省は南東・南西アジア局南西アジア部内に「日印経済担当部」を新設いたしました。国別の経済担当部署を外交機構の中核に据える今回の組織改編は、単なる行政上の再編を超え、インドを日本の長期的な経済・地政学的パートナーとして明確に位置づける戦略的判断と言えます。外務省は公式声明において、日本からインドへの企業進出・投資促進、および経済安全保障分野における協力深化を、官民一体で推進する方針を表明しました。この部署が通商振興局ではなく外交政策立案の中核に置かれたことは、日印経済関係が、外交的修辞の段階を超え、制度そのものに組み込まれたことを示すものと考えられます。
2026/04/16
インドは2026年現在、名目GDPで約4兆3,000億米ドルに達し、世界第4位の経済大国です。G20諸国の中でも最も急速に成長しており、2026年の実質成長率は約6.4%と予測されています。2028年までには名目GDPでドイツを抜き、世界第3位に浮上する見通しです。2000年4月から2025年12月までの累計FDI流入額は1兆1,400億米ドルを超えており、長期的な投資先としての存在感は年々増しています。
2026/03/17
近年、米中対立の深刻化や新型コロナウイルスのパンデミックを契機として、グローバルサプライチェーンの再編が急速に進んでいます。特に、製造拠点の中国集中リスクを回避するため、多国籍企業の間では「チャイナ・プラスワン」戦略が広く採用されるようになりました。この戦略において、インドは最有力候補のひとつとして急浮上しています。  インドは、14億人を超える人口を擁する世界最大の民主主義国家であり、GDP規模においても世界第5位(2023年時点)に達しています。豊富な労働力と急成長する国内市場、そして英語を公用語のひとつとするビジネス環境は、外資系企業にとって大きな魅力です。こうした背景のもと、インド政府が2020年に導入した「生産連動型インセンティブ制度(Production Linked Incentive Scheme:以下「PLI制度」)」は、グローバル製造拠点としてのインドの地位を一段と高める政策として、国際的な注目を集めています。
2026/02/24
1 よくある失敗とリスク管理 日本企業がインド市場で直面しやすい主な課題として、次の点が挙げられます。 ⑴ 書類間の不整合 提出書類の間で商品説明に食い違いがあると、審査が7~15日程度遅延することがあります。 対応策としては、 書類表記の統一と、提出前の事前チェック体制を整備することが考えられます。
2026/01/29
FSSAIは、輸入食品に対する監視体制を大幅に強化しており、抜き取り検査の実施頻度や検査項目が増加しています。 日本製品は一般的にインドの基準を上回る品質を有していますが、日本とインドでは検査の着眼点が異なるため、その違いを十分に理解していない場合、通関手続きで問題が生じるおそれがあります。
2026/01/14
インドでは、食品表示にとどまらず、食品の包装材について「安全性」と「環境への影響」を考慮した規制が定められています。 近年の制度改正により、食品と接触する包装材については特定の認証取得が求められるようになったほか、日本では一般的に用いられている包装方法にも影響を及ぼす制限が導入されています。
2025/12/18
インドにおける輸入食品の表示規制は、世界的に見ても非常に厳しく、近年さらに強化される傾向にあります。2025年現在、明確かつ正確な表示が求められており、英語またはヒンディー語(デーヴァナーガリー文字)で表記される必要があります。日本語を併記することもできますが、その場合は翻訳の正確性が厳格に求められます。不適切な翻訳は、ブランドの信頼性を損なうだけでなく、規制当局からの確認や指摘を受ける可能性があります。
2025/09/25
⑴ HSコードに基づく輸出品の分類 まず、輸出する食品をインドのHSコード(インド版の輸出入品目分類)に基づいて正しく分類する必要があります。この分類により適用される関税や特別な規制が決まるため、非常に重要なステップです。例えば、緑茶、スナック類、加工食品など、それぞれの食品に応じて添加物の基準、汚染物質の管理、表示方法などの規制が個別に定められています。

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